2019年9月22日、延岡市は大きな竜巻に襲われました。
被害家屋 583棟 ( 一部損壊 569棟 , 半壊家屋 10棟 , 大規模半壊 3棟 , 全壊家屋 1棟)
今もまだブルーシートがかかった家も多くみられます。はやく元通りの生活に戻れますようお祈り申し上げます。 この日、夏田山扇森稲荷神社(なつだやまおうぎもりいなりじんじゃ)も被災しました。神社の森や社は壊滅的な打撃を受け、大木が数多く根元から押し倒され、人力で片付けるのは難しく重機が必要です。保険も出ず、市の基準に合わず公的な支援は受けられません。
氏子だけの力ではどうしようもないと、令和2年の初午祭を諦めました。
SNSで投稿したところ、それを見た友人知人が何かできることがないか、と声をかけてくれたのですが、その中に「ロハス南阿蘇たすけあい」とご縁がある人がいて、その方が「おやっさん」という愛称で皆から信頼されている代表の井出順二さんに連絡してくれました。
ロハス南阿蘇たすけあいとは、全国からの寄付だけで運営している災害ボランティア団体です。熊本地震の時に立ち上げました。いつもは南阿蘇村で活動していますが、災害が起 きたところへご恩返しと出向いて活動しています。今も東北などで活動されています。 おやっさんとお仲間はすぐに延岡にかけつけてくれました。 おやっさん達はすぐに作業にとりかかり、それに呼応して地元の仲間も復旧プロジェクトを立ち上げて神社の復旧作業が始まりました。熊本から福岡から遠くは東京から、おやっさんの投稿を見て、延岡に来て下さる。宿泊費もお礼も固辞し、中には名前も告げずに帰って行かれる。そして差し入れのお茶やおにぎりなどは地元の人々と和気藹々と輪になって座り気持ちよく平らげて下さる。この様子は毎日のようにSNS で報告され、それを見たお仲間達が投稿をシェアし、さらに支援の輪が広がりました。 人の手には到底処理の及ばない大木を切り倒し運んでくれたのは、延岡のボランティア団体とおやっさん達。集めた木の幹や枝を災害ゴミとして引き取って下さった会社もありました。それぞれの方がそれぞれ力をふるえる場所をみつけ、瀕死の山は少しずつ息を吹き返してきました。その様子はFacebookの「夏田山扇森稲荷神社復旧作業」のページで見ることができます。倒木に覆われ道も見えなかった参道が、少しずつ木や枝を取り払われ、やがては清々しく掃き清められた道に変わって行く様子を記録した写真は何度見ても感動します。 おやっさんは支援の場の「受援力」という言葉を教えてくれました。支援する側と支援される側の信頼関係のようなものです。何かお役に立ちたいとかけつけた時、理解して受け入れてくれると復旧がスムーズに運びます。
そんな団体があることを広く知ってもらう必要があると思い、クラウドファンディングに挑戦しました。ロハス南阿蘇たすけあいや県内外、延岡市のボランティアの皆さんのおかげで復旧がすすんでいます。
そのご恩に報いるために、令和2年3月4日に例年通り復旧した神社で
初午祭りを開催し、次のようなことを計画しています ・新たに鳥居を建て、芳名板を新設、伝わる版木でお札も復刻。
・参道などの修復。
・ポスターを市内各所にはり市民のご参加を呼びかける。
・復旧作業の様子を紹介するパネル展を開催。
・ロハス南阿蘇たすけあいの井出順二さんの講演会を開催。 地域の神社であった夏田山扇森稲荷神社ですが、延岡市が竜巻被害から復興してきたシンボルとして祭りを開き、たくさんの人たちにお参りしてもらいたい。ボランティアの皆さんも招待し、感謝の気持ちを伝えたいと思います。
相次ぐ災害から復興へと向かっている日本ですが、ここ延岡でも竜巻なんかに負けない力を示すことで、延岡市の元気をアピールしたいと思います。再生した神社と森を延岡の復興のシンボルにしてもらい、次の世代へと引き継いでもらえたらと思います。竜巻による被災者の中にはまだ復興しておられない方もいます。そんな方へもう一度目を向けていただく機会になればと思います。また、支援してくれた団体や全国のボランティアさんと延岡市の絆を深め、安心して支援を受け入れる力・受援力を高めたいと思います。
災害ボランティアの活動を知ってもらう写真の展示会や講演会を開き、今後被災した時、スムーズに復旧するための「受援力」を育み、災害ボランティアへ取り組む人を増やしたいと思います。
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